農業の「働き方改革」について農水省に訊いてみた!
2018/03/19
「働き方改革」の波は、農業分野にも及んでいる。農水省では世代や農業へのかかわり方を超えて広い意見を集めようと、農業経営者や有識者等からなる農業の「働き方改革」検討会を開催している。検討会は農業高校でも開催されており、幅広い年代を巻き込んだものとなっている。
農業の「働き方改革」
「2017年12月、農業で魅力的な職場環境づくりが進むよう、先進的な取組を実践する農業経営者と有識者が集まって、第1回農業の『働き方改革』検討会を開催し、議論をスタートしました。3月までに今後の経営に必要な人材の確保に関する優良事例を集め、経営者の参考となるよう報告書をまとめます」(佐藤大輔さん:農林水産省経営局就農・女性課経営専門官)。
日本はいま少子高齢化と生産年齢人口の減少により、深刻な労働力不足に悩まされている。人材獲得競争が激化するなか、この検討会で農業の「働き方改革」の目指すべき姿が明確化される。
農業分野でも有効求人倍率が全産業を上回って推移するなど、人手不足は問題となっており、「募集しても人が集まらない」といった報道も見られる。
「検討会は全部で5回開催し、誰でも応募できるウェブ上でのアイデア募集や、農業経営者と雇用者を対象としたアンケート調査の実施のほか、農業高校で検討会を開催し学生から直接意見を聴いたり、東京と地方をつなぐサテライトでの開催など、広くアイデアが集まるよう工夫をしています」。
農業に求められる人材が増えるなか、働き方改革を実現するには「仕事ぶりや能力の評価に納得して意欲を持って働きたい」「ワークライフバランスを確保して、健康に、柔軟に働きたい」「病気治療・子育て・介護などと仕事を無理なく両立したい」といった働く人の視点に立った課題解決が必要だ。また、農業経営者の”意識改革”も求められる。
では、どのような取組が考えられるのか。
「第1回の検討会では、農地、作業実績等をクラウドで一元管理して労働時間の削減や農繁期の休暇を実現した事例、6次産業化による通年雇用、経営者の他産業での経験を活かした人材育成、男女ともに快適な労働環境への取組、酪農家でパート従業員として働きながら仕事の隙間の昼間にアーティストとして活動する事例が紹介されました」。
報告書がまとめられれば、様々な人材が活躍できる魅力的な職場環境づくりに役立つことが期待される。
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『AGRI JOURNAL』vol.6より転載