津田大介が語る! 「里山資本主義」と地域起こしのポイント

豊かな自然の中で暮らすことを至高と捉える「里山資本主義」。美しい田園風景を守り、地方に人を呼び込むにはどうしたら良いのか? 成功している地域の特徴をジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介氏が語ってくれた。

農業が「里山資本主義」の
価値を生み出す

私が地域コミュニティに関心を持ったきっかけの1つに『里山資本主義』という藻谷浩介氏の著書があります。

豊かな自然があるというのが里山資本主義での最高のコンテンツです。そこに農業なども含めて里山の世界をどう作っていくのか。

地域おこしの成功事例を現地視察するのも良いですが、自分の地域に持ち帰っても活かせることはそう多くない。やはり、その土地にしかないものもたくさんありますから。

地域起こしに成功するのは
キーパーソンが集まる町

地域おこしに成功したところは、核となる複数の立場の人がきちんと仲良くネットワークを築いています。1人のカリスマイノベーターのような人がいるだけではなく、そこに数人のキーマンが集まってくる感じです。

逆に、うまくいかないところは、地域おこしに必要な人材が、地域間で取り合いになっているとよく聞きます。

東日本大震災の復興の時も、新しく産業を興そうと頑張った人が色々な地域に行きましたが、そこでうまくいかなかった人たちが宮城県女川町に集まりました。

なぜかというと、ここが一番外部の受け入れを積極的にやっていたからです。産業振興のために駅前の一等地などを提供していました。女川町は商売の街だったという歴史もあって、外の文化を受け入れることに対して肯定的だったのです。

そうした人たちがネットワークを作り、それぞれの抱えている課題の中で解決を促し合いつつ、どんどん人が入ってくるきっかけを作っていきました。

人材を欲している地域は、それこそ日本全国にあります。だからこそ、メリットを感じて移り住んでもらえるような、環境や体制をつくっていく必要があるんですね。

農業に限らず地域コミュニティの中に入るのは簡単ではないですが、そこで暮らすことによって都会では味わえないような魅力的なライフスタイルもありますし、僕も多くの場所で、楽しさと難しさを同時に伝えていきたいと思います。

プロフィール

ジャーナリスト/メディア・アクティビスト

津田大介さん


1973年生まれ。ポリタス編集長。早稲田大学文学学術院教授。大阪経済大学情報社会学部客員教授。テレ朝チャンネル2「津田大介 日本にプラス+」キャスター。J-WAVE「JAM THE WORLD」ナビゲーター。


インタビューまとめ:大根田康介

AGRI JOURNAL vol.08(2018年夏号)より転載

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