政策・マーケット

花き販売は“女性目線”がカギを握る! 受注増加と認知度向上をさせた独自の戦略とは

業界の古い常識に囚われずに、繊細で斬新な女性独自のブランディングで受注の増加と認知度向上に結びつけたゲブラナガトヨの常務、荒井ひろこさん。朝顔の販売数を2万から20万ポットまで伸ばした女性ならではの感性とは?

女性の感性が生かされれば
お花は売れる

業界の常識を次々覆し、新風を吹かせ話題を呼んでいる花き生産販売会社「ゲブラナガトヨ」。

始まりは05年の日本フラワー&ガーデンショウでの新品種の1位獲得。先代から熟練した技術を継承し、半世紀余り花の生産に取り組んできた情熱が結実した瞬間だ。その後も入賞を続け、業界から高く評価されるようになる。

しかしそれはあくまでも、生産者としての「プロの目線」での品種づくりだった。

そんななか、それまで事務や営業をサポートしていた荒井さんは、社長である夫から選抜を任された。選抜は、年間2000鉢の中から商品化できる1/200まで絞り込む作業

ある日、捨てられていた「ネメシア」の淡いピンク色の花を見て、これは女性の心を掴む花色!と確信した。「エレーヌ」と名付け販売し大ヒットに。現在に続く人気シリーズとなった。

捨てられた山から見出されたネメシア。

「お花の消費者の多くは女性ですが、育種家は男性がほとんど。女性の感性が生かされれば花は売れます。今年販売した新ブランド、nozomi saku(のぞみ・さく)は、現役女性ネイリストの育種家によるものですが、これも全て完売」と荒井さんは言う。

現役ネイリストの洗練された感性による「nozomi saku エミリ」。

ヒットの背景に戦略的なマーケティングも欠かせない。製作者の“ストーリー”をSNSで配信し、社内専属の若手デザイナーがラベルを制作。ピンク色のTシャツを着たスタッフを展示会場内を縦横に歩かせ宣伝したところ、ブースに大勢のバイヤーが殺到した。「うちの花は他メーカーにはない女性好みの淡い色合いが多いので女性から高く支持されてます」。

新卒デザイナーを採用して製作した斬新なラベル。一際目を引き話題に。

マーケティングの肝

自分の感性を信じるきること

消費者は売り場で一瞬の「かわいい」という第一印象で買うか否かを決める。枝ぶりが悪い、この花は作りづらいといった生産重視の目線ではなく、消費者代表の作り手が一目見たときのインスピレーションが売れる商品か否かの選抜に役立つ。

Profile

荒井ひろこさん


株式会社ゲブラナガトヨ常務取締役。2000年、結婚を機に茨城の農家に嫁ぎ就農。営業と企画、人事を担当し、独自の感性で花のネーミングを行い、ヒット商品を次々に生み出している。
HP:株式会社ゲブラナガトヨ公式サイト
Instgram:@boss_breeder
 


Photo:Nahoko Suzuk
Text:Mikako Wakiya

AGRI JOURNAL vol.13(2019年秋号)より転載

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