JAで農業男子の「総選挙」! 14人の個性が伝える農業の魅力
2020/11/20
「東京に農業のイメージがない」、「農家は年配の方が多い」そんなイメージを変えたいと、JA東京グループが立ち上がった。より多くの人に東京の農業や農家に興味を持ってもらうための取り組みをご紹介。
JAが総選挙を開催!?
「農業男子×総選挙」
JA東京グループが主催する「農業男子×総選挙」が始まった。選挙期間は10月14日(水)から12月15日(火)まで。公式ページでメールアドレスを登録すると、1メールアドレスにつき1日1回投票できる。
抽選で投票者プレゼントもある。景品に用意されているのは、今回選ばれた14人の農業男子が育てている農作物が届く「農産物セット」 や、全国のJA直売所で使える「農協全国商品券」など。当選確率を上げてもらうために毎日投票することも歓迎している。
今回エントリーしている14人は東京都内の各JAから選ばれた農家の男性。テーマは「東京の農業は、オレに任せろ!」で、候補者一覧ページにはこだわったという鮮やかな写真が並ぶ。
ここで多くの票を集めた男子は、東京農業をPRする広報大使に就く。JA東京グループがこうした企画を実施した経緯を聞いた。
気になる男子から
まずは「農業」を知ってもらう
今年が初めての開催だという「農業男子×総選挙」。聞くだけで興味をそそられる画期的な企画だ。消費者としては驚きもあるが、どうして総選挙だったのだろう?
背景には「東京に農業のイメージがない」、「農家=年配の方がやるもの」というイメージを払拭できたらという願いがある。「農業といえば東京」と言われることはない。しかし実際は東京には多くの畑があり、就農者もいる。
さらに「農業はお年寄りがやっているんでしょ」というイメージも変えたかったという。今回、各JAの青壮年部の推薦などで選ばれている14人はだいたい20代から40代の働き盛りだ。
総選挙を開催することで農業、そして就農者についてまずは「知って頂くきっかけの一つになれば」と担当者は話す。
野崎 智経(NOZAKI TOMONORI)
JAあきがわ 代表
新潟県出身ですが、東京で就農して3年目です。20代を海外で過ごし、30代は都内のIT企業での仕事に忙殺された毎日を過ごしていました。仕事帰りにふらりと立ち寄った本屋さんで江戸東京野菜の本を見つけ、「東京で農業をやっている人がいるのか?」と興味を持ち、東京での就農を決めました。1年を通じてビニールハウスと露地栽培でコマツナをメインに育てています。
上の写真左側が野崎さん
徹底的に魅せ方にこだわった
10月14日からスタートした投票は、開始から6日間で約1万票に達する勢いだ。それもそのはず、企画の本格度は随所に見られる。
まず候補者たちのページをのぞくと、個人プロフィールや写真、読者へのメッセージ、撮影スタッフ談が並び、眺めるだけでも楽しい。写真は、各候補者が農作業している「ON」ショット、私服をまとった「OFF」ショットの写真がそれぞれ10枚ずつ、そしてQ&Aとして趣味や好きな農機のアンサーも掲載されている。
14人の候補者には事前に企画の趣旨を理解してもらえるよう、それぞれ事前に打ち合わせをしたという。後日の取材は、1日がかりで「ON」と「OFF」のショットを撮影。1人の候補者につき、1000枚から1500枚の写真を撮り、選びぬかれた数枚が掲載されている。
主催はJA東京グループだが、投票は全国から募っているという。こうした思い切ったJA東京グループの取り組みが、地域の農業に興味を持ってもらうイベントや企画のヒントとなりそうだ。
DATA
JA東京グループ「農業男子×総選挙」