生産者の取組み

JA全青協に聞いてみた!「協同」のススメ

国際自由貿易交渉や農協改革議論によって農業を取り巻く情勢は目まぐるしく変化している。そんな中、今、協同組合が世界的に再評価されている。「協同」で叶う姿をJA全青協6万人のリーダーにお話を伺った。

協同ならより楽しく、
ハイリターンも可能に

農業は日本人の食料安全保障の根幹に関わる重要な産業だ。JA全青協は全国の若手農業者によって組織され、豊かな地域社会を築くことを目的に、政策提言や食農教育、地域リーダーの育成などの活動を行っている。

JA全青協オリジナルワークウェアを着用した、静岡県のJA青年組織による農業PRポスター。

「実は今、協同組合再評価の気運が世界的に高まっています。一昨年11月には、『協同組合』がユネスコ無形文化遺産へ登録されました」(飯野さん)。

「協同組合」は、19世紀半ば、ドイツ産業革命により貧富の差が拡大し、ライファイゼンが貧困にあえぐ農民を救うために創設したのが始まりだ。「穀物の販売や肥料の共同購入などを行い、農民の生産力と購買力を1つに束ねることで大資本に対抗したのです。”ひとりではできないこともみんなとならできる”がライファイゼンの言葉です」。

JA全青協も、時代を的確に捉え、協同の力をもって、豊かな食と環境を国民と共有することを目指している。ライファイゼンと同じ志だ。

「農業を始めるのはローリスクなんです。先人たちが何百年もかけて保全してきた資産がありますから。ただ、それでもひとりでは限界があります」。

そういう飯野さんは、28歳で父親から畑を引き継いだ際、落ち葉堆肥をやめて生産効率に走り、畑を壊した苦い経験を持つ。これを乗り越えられたのも盟友たちの支えがあったからだという。

「地域の盟友たちと、一晩中酒も飲まずに語り明かしました。自分の農業経営について、地域の農業について。そこから原点に立ち返り、土づくりをする大切さを学びました。新規就農者はどうしても販売に目が行きがちですが、まず地域との繋がりを大切にすることが消費者との関係づくりにも役立ちます」。

マルシェイベントに出展する、埼玉県のJA青年組織。

作物が育つ土地に自分が繋がり、地域の一員となって地域を真剣に考えることが、持続可能な農業をつくるうえで大切だという。「畔の草刈りや水路清掃、地域で出展するマルシェの後に、みんなで頬ばる握りメシがまた美味しいんですよ。1つのことを一緒に成し遂げる達成感は、人生に深みと喜びを与えてくる。それが協同の楽しさです」。

飯野さんにとって、農業とは。「農業は、人の心を満たす仕事です。お腹一杯になれば、誰でも幸せになれる。その大切な仕事を自分たちが守り、次の世代に繋いでいきたい。同じ志を持つメンバーの加入を、心よりお待ちしています」。

プロフィール

飯野芳彦

JA全青協会長

1977年埼玉県川越市生まれ。全国農協青年組織協議会6万人のリーダー。20歳で就農。正従業員2人、パートさん8人で小カブを主軸に15品目栽培。


text: Mikako Hiorose

『AGRI JOURNAL』vol.6より転載

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