「農家兼ナビゲーター」が伝えたい、地域農業の魅力
2018/04/04
都会暮らしから一転、山奥の限界集落で『村の担い手』として、また、農のリアルな現場へ取材の旅にまわる『ナビゲーター』として活動している一人の男性がいる。新しいライフスタイルの楽しさは?
農業の楽しさを
味わうために旅をする
「もともとは20年以上東京で仕事をしていました。そこから一変、淡路島の農的コミュニティへ移り住み、自然栽培での田畑や廃材DIYなどを経験しました。その後、以前からの憧れだったキャンピングカーで旅する暮らしをしている時に、徳島県の山奥にある”久尾”という限界集落にインスピレーションを感じ移住したんです」。
「The CAMPus」ナビゲーター 岩崎致弘さん
そう話す岩崎さんは現在、村の担い手として田畑を耕したり、村の食材で加工品を作って販売したり、古民家を改築して店や宿、アトリエを作ったりと、積極的に活動中。
この限界集落での新しい村づくりとも言えるライフワークに、農でオモシロく生きている人たちを取材してその魅力を記事(講義)で伝えるナビゲーターの仕事が活かされているという。
「ナビゲーターの取材では、畑仕事や家事、料理やモノづくりなど、取材先の方々と何でも協働し、寝食も共にするので濃い付き合いになります。いつもは離れて暮らしているけど毎月”ただいま” “おかえり”と、戻ってくる仲間というような。行く先々の環境や文化、コミュニティなど、それぞれの『地域』のなかで、農のある楽しさを味わえます。そして帰ってきたあとも、自分の村や田畑、仕事や生活の中に、各地の『地域』で得たヒントから新しいエッセンスが自然と入ってくるんです。その感覚がすごく楽しいですね」。
農作業を行う岩崎さん
地域や人の数だけ、農の楽しみ方がある。その多様性を知ることで、自分自身の農との付き合い方も、より良いかたちに変えていけるのだ。
DATA
農業の楽しさを学べるオンライン上の農学校「The CAMPus」
「The CAMPus」で大切にしている”学びのコンテンツ”を創っているナビゲーターによる、ユニークな講義が展開中。教授は「かっこよく・たのしく・もうかる」の三拍子が揃った農家さんばかり。『日本の農業の未来を担う若者たちの“ワクワク”を育むWEBマガジンタイプの学び舎』として、「農」のある暮らしのヒントが満載だ。
AGRI JOURNAL vol.07(2018年春号)より転載