未来の農業がここから始まる! 農業&ロボティクス研究所がオープン
2021/11/10
ここから新しい何かが始まるのではないか?そんな期待を抱かせてくれる新施設が誕生する。それが埼玉県春日部市に2022年にオープンする未来型総合農業&ロボティクス研究所『春日部みどりのPARK』だ。
4企業が参画し立ち上げ
農業新技術の研究施設
「未来の農業に役立つ新技術を、様々な会社が同じ敷地で開発したら、そこから新しい何かが始まるのではないだろうか?」そんな思いを共有した農業に関連する4企業が、埼玉県春日部市の施設を借り受けプロジェクトを立ち上げた。それが『春日部みどりのPARK』。春日部市の小学校跡地を活用した農業研究施設を立ち上げ、同時に地域の活性化にも貢献しようという取り組みである。
参画する4社=JPP・セキドパートナーズ・積木製作・但馬米穀の強みがまったく異なるのが面白いところ。JPPは鉄骨ハウス+ポリカハウス『がっちりHOUSE5』やLEDライト『ヘリオス』、それに大型農業機械の自動操縦システムなどが主力商品だが、セキドパートナーズはドローンに、積木製作はIT技術に、そして但馬米穀は水稲に関して造詣が深い。この4社が同じ敷地に入居して、次世代農業&ロボティクスに関する研究開発等を行う。一方でJPPには、もう一つの狙いがあるという。JPPの伊藤さんが教えてくれた。
「参画企業にとっては、研究開発を行いやすい広大なフィールドと建屋を借りることができるのが最大のメリットです。何しろ、小学校跡地ですから(笑)、広々とした校庭や体育館を研究フィールドに使えますし、屋内での研究や事務作業に使える教室も十分過ぎるほどあります」。
新たな出会いから生まれる
新技術のアイデアにも期待
また、ただ研究開発を行うだけでなく、一般市民や農業生産者、研究者などを招待して、見学会やスクール、講習会、体験会などのイベント活動も積極的に行っていく。
「市民や農業界の方に貢献しつつ、この春日部市に賑わいを提供したいと考えているんです。そして密かに期待しているのが、ここで生まれる新たな出会いです。参画企業はそれぞれに他社とのコラボレーションを進めて行きますが、そこで必ず新たな出会いが生まれるはずです。その出会いから、農業の効率化を実現するための、新技術のアイデアが生まれるのでは、と期待しているのです」。
『春日部みどりのPARK』をきっかけに、どんな新しい農業技術が生まれるのだろうか? 注目して行きたい。
『春日部みどりのPARK』
施設内ではどんな研究が行われる?
埼玉県春日部市の「旧富多小学校跡地活用」のため、既存の建物、豊かな歴史・文化資源や田園・河川などの自然資源などを活かした次世代農業やロボティクスの研究を通して、地域の活性化にも寄与する事業。総面積約1.7haの敷地に4企業が入所。2022年4月にオープンする予定である。
校舎
校舎内では、水稲を熟知する但馬米穀とJPPがタッグを組み、多収米の品種や栽培技術に関する研究開発を行う。農業系大学から研究者が加わる予定もあるとか。要注目だ。
同じく校舎内では、IT技術に強みを持つ積木製作が、AR・VRを活用した農業分野におけるプラットフォームの研究開発を行う。VRを活用することで、田畑に出られない熟練者の技を現場に伝え、技術継承に寄与する狙いがある。
プール
セキドパートナーズは、校庭における空中ドローンだけでなく、プールを活用して水中ドローンの研究開発を行う。小学校跡地であることを活かした取り組みだ。
ハウス
校庭の一角では、JPPが施設栽培農業ハウスの研究開発を行う。鉄骨+ポリカの『がっちりHOUSE5』を、より高強度で高効率、低価格にすることが目標だ。
ハウス内では、JPPが環境制御機器(遠隔監視&制御装置)の研究開発を行う。同社の取扱商品である『ヘリオス』LEDライトや水耕栽培機器だけでなく、他社とのコラボレーションを視野に入れている。
校庭
校庭では、JPPの取扱商品である数々のスマート農機(自動操縦システムを搭載したトラクターや田植え機、自動運転の草刈機等)の研究開発が進められる。
問い合わせ
株式会社JPP
TEL:048-731-8597
Instagram:@kasukabe_midori_no_park
文:川島礼二郎
AGRI JOURNAL vol.21(2021年秋号)より転載
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