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乾燥地帯で大気中の水分を集めて作物を栽培!? サウジアラビアで実証実験が始まる

農業に不向きとされている乾燥地帯。サウジアラビアでは、太陽光発電しながら大気中の水分を集めて作物を栽培することに成功した。実用化が期待されるソーラーパネルを使った最新技術とは?

メイン画像:WEC2Pのコンセプト図

電力・水・食料を集める!
1台3役のソリューション

サウジアラビアのアブドラ王立科学技術大学の研究チームは、特殊なハイドロゲルとソーラーパネルを組み合わせ、太陽光発電しながら大気中の水分を集めて作物を栽培する「WEC2P」を開発した。ソーラーパネルの上部に塗布されたハイドロゲルが大気中の水蒸気を吸収し、ソーラーパネルからの廃熱でこれが加熱されると、凝縮した水が放出される仕組みだ。この水を用いて作物を栽培できる。


特殊なハイドロゲルを付着させたソーラーパネルと栽培ソリューションの様子

2021年6月15日~30日にはサウジアラビアで「WEC2P」の実証実験を実施。大気中から集めた水のみを灌漑に利用した結果、空心菜の種60個のうち57個が発芽し、18cmまで成長した。乾燥地帯で再生可能エネルギー、水、食料を供給するソリューションとして実用化が期待されている。

©Renyuan Li



DATA

「WEC2P」ニュースリリース


文:松岡由希子

AGRI JOURNAL vol.24(2022年夏号)より転載

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