再エネ・最新技術

「先端技術アワード農業2.0」で登場した3つのITサービス

「第58回全国青年農業者会議」のなかで行われた、先進農業技術のプレゼンテーション大会「先進技術アワード農業2.0」。事前審査を通過した3社のサービスが、若手農家に向けて発表を行った。

ノウハウを共有し
共存を図る

2月26日(火)~27日(水)にかけ、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された「第58回全国青年農業者会議」(レポート記事はコチラ)。27日は、先進農業技術のプレゼンテーション大会「先進技術アワード農業2.0」が開催された。

プレゼンテーションの前座講演には、『阿部梨園の知恵袋-農家の小さな改善300-』を公開して大きな話題を呼んだ「阿部梨園」のマネージャーを務める佐川友彦さんが登壇。

「世の中のサービスは、対価が支払われることで機能が改善され、ユーザーも増えます。反対に、キャッシュが回らず、サービスが撤退してしまうこともあります。若手農家こそ積極的に先端技術やITを活用したサービスを利用して、一緒に市場を作っていきましょう」と、サービスに対する意識改善を啓蒙した。

すぐに使える!
良質なサービスをアピール

プレゼンテーションを行なった3企業は、事前審査を勝ち抜いた企業。昨年12月21日から今年1月17日にかけ、3分間のアピール動画を公開した13社の中で、多くの「いいね」を獲得した企業となる。

「Agrion農業日誌」

プレゼンテーションのトップバッターをつとめたのは、「株式会社TrexEdge」の代表・池田博樹さん。2017年には、作業場所や時間などを記録できる「Agrion農業日誌」をリリース。栽培工程、圃場間の移動、営業など全ての活動において「いつ、どこで、誰が、何をしたのか」の情報を記録して見える化することができる。また、2018年には「Agrion販売管理」をリリース。FAX、電話、メール、SNSなどからの注文をデータ化して、納品書・受領書・請求書などの伝票を自動で生成。受注から請求までのプロセスを一元管理することで、業務を効率化することができる。
どちらも、無駄な作業を発見し、働き方を改善するうえで、大きく役立つツールだ。
「作業時間が削減されることで、営業や経営戦略に時間を割けるようになります。こうしたツールの導入は、“投資”だと考えていただきたいです」と、アピールした。


「株式会社TrexEdge」の池田博樹さんは、IT企業を経て3年前に農業に参入。その背景には、スマートフォンを使うことで、効率よく農業を行えるのでは、という考えがあったという。

「食べチョク」

「栽培にしっかりと取り組んでいるにもかかわらず、正当に評価されていない農家が多くあります。こうした農家に価値を還元し、持続可能な農業を営んでもらいたい、と思いました」。そう語るのは、「株式会社ビビッドガーデン」の代表・秋元里奈さん。複数の農家のもとで話しを聞く中で開発したのが、農作物を直接販売できるオンラインマーケット「食べチョク」だ。
登録料は無料、商品が売れたら手数料が発生するという仕組みで、消費者からのクレームにも対応している点が特徴。リスクが少ない状態で、気軽に商品を販売できる。また、マルシェをはじめとする、ユーザーと交流できるイベントも積極的に開催しているため、ユーザーの声が届きやすいという。

IT企業に勤務していた秋元さん。農業を営んでいた実家の廃業をきっかけに、耕作放棄地となった畑を復活させることを決意した。

「ポケットマルシェ」

オンラインマーケット「ポケットマルシェ」の特徴は、消費者と生産者のコミュニケーションが盛んに行われていること。40%以上の消費者が、商品の購入後、生産者に宛てたコメントを残しているという。株式会社ポケットマルシェの中山さんは、「メッセージのやり取りも盛んです。以前、“インフルエンザにかかった”ととあるトマト農家さんが投稿したところ、多くの商品購入者から労いの言葉が寄せられたことがありました」と、「ポケットマルシェ」ならではのエピソードを発表。

出品や入金管理といった全ての作業がスマートフォンでできること、これまで販路が無なかった規格外野菜も販売できることも、大きな魅力。「ポケットマルシェ」で30万円以上もの売り上げを達成する農家も増えているという。


「株式会社ポケットマルシェ」の中山拓哉さんの前職は、外資系IT企業のエンジニア。「消費者の顔が見えない」環境に悩んだことから、およそ2年前に退職し、オンラインの産直市場「ポケットマルシェ」を運営する同社に転職したという。

「先進技術アワード農業2.0」でプレゼンが行われたITサービスは、いずれも導入しやすいことが特長のもの。会場では、スライドをスマートフォンで撮影するなど、熱心にプレゼンテーションを聴く人の姿が多く見受けられ、若手農家にとっても有意義な情報収集の場となっていたようだ。

DATA

全国農業青年クラブ連絡協議会(4Hクラブ)


Photo&Text:Yoshiko Ogata

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