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病害虫を特定!農薬検索・購入までできる診断アプリ「エクスペスツ」体験レポート

病害虫の特定から農薬の購入まで、ワンストップかつスピーディにできる病害虫診断アプリ「EXPESTS(エクスペスツ)」。新機能が追加され、さらに使い勝手がよくなった本アプリの魅力を、2人の若手農家の感想を交えてご紹介!

就農して間もない若手に薦めたい!
病害虫診断アプリを体験

今回、エクスペスツを試用したのは、栃木県内で約6年前に就農した篠原さんと、約4年前に就農し、今春から栃木県4Hクラブの会長を務めている小林さん。日頃、管理している農園は異なるが、どちらもトマトを専門に栽培している。


(写真左)篠原貴大さん。農業大学校を卒業した後、海外研修などを経て親元就農。父親とともに経営する「とまとのしのはら」のトマトは、2018 年に農林水産大臣賞などを受賞。令和2年度に栃木県4Hクラブの会長を務めた。
(写真右)小林柾德さん。農業大学校でトマト栽培を中心に学んだ後、父親が経営する「小林菜園」で就農。現在、高度な環境制御技術が採用された、大規模な低コスト耐候性ハウスでトマトを栽培。今年4月より、栃木県4Hクラブの会長を務める。

「トマトは、繊細な作物の一つ。多湿をはじめ悪条件が生じると、高い確率で病害虫が発生します。また、発生する病害虫の傾向は年によって異なります」。こう、トマト栽培での悩みを明かしたのは篠原さん。

篠原さんの農園は全部で64aと大きいため、日々の生育状況のチェックは、約6名いるパートスタッフの手を借りながら行っている。「トマトに食害や変色などが見られた場合、パートスタッフが異常の特徴と発生場所を知らせてくれます。その後、僕がその場所へ行って病害虫の名前を特定する、という方法をとっています」。しかし、異常の発生場所が複数になる場合は特に、確認作業に時間と手間がかかってしまう

こうした現状の改善に役立つツールが、エクスペスツだ。篠原さんは続ける。「パートスタッフにエクスペスツを使って病害虫の名前を特定してもらえれば、僕が異常のあった場所に行って確認する回数はかなり減らせるはず。また、発生した病害虫を抑えるための行動にも、素早く移れると思います」。


黄変している葉を撮影し、エクスペスツで診断。「すぐに診断結果が出るし、結果がひと目でわかりますね」と篠原さん。

なおエクスペスツは、意欲的な若手農家にもオススメのツール。圃場で役に立つのはもちろん、病害虫に関する知識を増やすきっかけにもなる。「4Hクラブのメンバーには、就農してから間もない農家もいます。ぜひ『エクスペスツ』を紹介したいですね」と、小林さん。

新機能が追加されて
さらに使いやすく!

昨年、エクスペスツに農薬検索機能が追加された。本機能の特徴の1つが、作物と発生した病害虫から、有効な農薬の情報を得られること。また、使用方法や使用期間、系統などの条件を入力すると、希望に沿った農薬の情報が得られることも特徴とする。

「農薬検索機能を利用すると、農薬の散布計画などを考えやすいです」と篠原さん。

農薬散布においては、病害虫の発生状況や農薬散布による防除の進度を確認しながら、作用が異なる複数の農薬をローテーションで散布するのが一般的だ。エクスペスツの農薬検索機能を利用すれば、系統が被らない複数の農薬を簡単かつスムーズに選択・購入可能。結果として、ローテーション防除を効率化できる。篠原さんも「農薬選びには、意外と手間がかかります。『エクスペスツ』の農薬検索機能があれば、自分が求める農薬を楽に選べそうです」と、興味津々の様子で語った。

 

EXPESTSの使い方

STEP1 写真から病害虫名を特定

病状が出ている箇所や害虫を写真に撮る、もしくは撮影済みの写真を呼び出して選択する。瞬時に写真が分析され、該当する可能性の高い病害虫名が表示される。病害虫名の下にある「WEB」ボタンを押すと、該当の病害虫に関するウェブ上の情報を閲覧できる。

STEP2 適した農薬を一覧で表示

STEP1で表示された病害虫名の下にある「農薬検索」ボタンを押すと、その病害虫の発生を抑えるのに適した、各メーカーの農薬が一覧で表示される。なお、農薬名の横にある「Web検索」ボタンを押した場合、ウェブ上にその農薬の情報が表示される。

STEP3 農薬の販売サイトに即アクセス

選んだ農薬はオンラインで入手可能。STEP2 で表示された農薬名の横にある「買い物かご」ボタンを押すと「日本農業システム※」の販売ページにアクセスでき、該当の農薬を購入できる。

※アイアグリ株式会社が運営するオンラインショップ

 

 

新機能追加でもっと便利に!

①診断履歴機能 ~病害虫の発生日誌に利用できる~

エクスペスツで得た診断結果は、アプリ上で保存できるように。診断結果は、作物や病害虫名といった項目で整理されるため、病害虫の発生日誌として利用できる。過去の害虫や病気の発生を振り返ることで、計画的な病害虫対策に繋げる。

②農薬検索機能 ~希望の農薬が即見つかる~

作物と病害虫を選択すると、登録のある農薬が一覧で表示される。なお、作物と病害虫は、それぞれ複数対象にすることが可能だ。さらに「絞り込み条件」で使用時期や系統などを選択すると、絞った条件に合った農薬が表示される。

 

 

 

問い合わせ

住友化学株式会社運営[つなあぐ]


写真/松尾夏樹
文/緒方よしこ

AGRI JOURNAL vol.32(2024年夏号)より転載

Sponsored by 住友化学株式会社

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