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これからの3年間、JAは何を目指すのか? 解決すべき課題とは

“サステナブルなJA”を目指して、幅広な視点からの解決すべき課題を中央大学教授の杉浦宣彦氏に聞く連載。今回は、10月29日に行われた第29回JA全国大会を踏まえ、JAの現状と抱える問題や方向性を伺った。

JA全国大会で発表された
今後3年間の活動方針

10月29日に第29回JA全国大会が開催され、今後3年間の活動方針が決定されました。
決議内容を読むと、筆者がJAグループの自己改革に関する有識者会議座長を務め、農協法改正、JAの自己改革が叫ばれていた中であった第27回大会の時の内容と大筋に変化がない不満はあるものの、時代の流れを反映して、SDGs達成へ向けての取り組みや、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を見据えた業務・システム導入を進めていくことなどがうたわれたことは、JAグループ自体が時代にしっかり追いついていることを示したとも言えるでしょう。

コロナ禍で海外からの食糧の安定輸入が危ぶまれた中、「国産国消」で対応すべきであるという主張を強く打ち出せたのは、大きな成果だと思いました。しかし、現在の農政同様に、JAもまた、明確な成長戦略をこの大会で打ち出せなかったのも事実でしょう。国内生産基盤は、人手不足や農地の縮小で明らかに脆弱化してきており、政府の進める農産物輸出増加策を担える構造になっていません。

また、新技術による農作業の省力化のためのスマート農業も、現段階で紹介されているものは大きすぎたり高額なものも多く、多くの施策が、現場の実情とは乖離している部分も多いように思います。持続的な農業・地域共生を考えるうえで重要なこの問題について、今回の大会の組織協議案を読んでも従前の支援策の検討に留まっており、JAそのものが農地信託などを受けて地域のための積極的に農業推進していくなど、思い切ったJAによる積極策の検討も組み込まれていてよかったのではないかと思います。
 

JA間の連携が
生き残りのカギ!

今回のコロナ禍により多くのJAの直売場が注目され、都市型JAと生産地JAとの連携を進める良い機会ではありましたが、東京・大阪のJAにおける他産地JAとの連携協定はわずか25程度に過ぎず、その販売高も令和元年で19.6億円程度に過ぎません。

信用事業の比率が高く、周辺に農家が少ない都市型JAの生き残り策については筆者もいろいろと思うとこともありますが、まず、これを機会に、住民へのJAの役割の理解を改めて推進するためにも、JA間連携を更に進めていくべきでしょう。それが従来から目指しているマーケットインに基づく販売強化につながり、さらには、都市部も含めて拡大してきている准組合員にJAファンとなってもらい、ともに地域共生を担う「アクティブメンバーシップ」の確立につながるはずです。
 

必要なのは
組織内教育の再検討

JA組織内の「イノベーション人材の育成」が今回も取り上げられていますが、机上の経営戦略の基礎知識でこの激しい時代の波の中で生き残っている企業などほとんどありません。現場の状況を把握して次々と独自の戦略を生み出しており、学問上の経営戦略論はその分析・説明ツールになってきています。

筆者が地域の県中(県農業協同組合中央会)や単協(単位農協)を訪問して驚くのは、熱心に現場との対話と提案を行っている職員も多いものの、相当数、それも多くの若い職員の方たちが農業の現場を知らないという現実です。対案としては、これまでも主張していますが、デジタル人材の育成部分も含め、ドラスティックな人材のローテーションを含めた人事、組織内教育の施策の再検討が改めて必要な時期にきているように思います。



PROFILE

中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)教授

杉浦宣彦


現在、福島などで、農業の6次産業化を進めるために金融機関や現地中小企業、さらにはJAとの連携などの可能性について調査、企業に対しての助言なども行っている。

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