なるほど! 施設園芸で効率よく儲ける方法
2016/12/05
市場への安定供給、農家の所得向上、雇用の創出。こうした課題解決に重要な役割を果たすのがハウスなどで野菜などを栽培する施設園芸。「次世代型」の施策を掲げる農林水産省の担当者に、今後のビジョンを語ってもらいました。
日本の農業産出額の約4割を占めるのは、野菜・果樹・花きといった園芸作物です。消費面から見ても、年間を通して野菜などを安定供給するために、施設園芸の果たす役割はたいへん重要です。
露地野菜や果樹、稲作と比べ、施設野菜は単位面積当たりの所得は多いですが労働時間が長く、「儲かるけれど手間がかかる」のが実態です。また、日本の農業全体の傾向と同様に、施設園芸の面積も農家の数も減少傾向にあり、このままでは野菜などの安定供給に支障が出かねないと、農水省としては危機感を覚えています。
施設園芸の労働生産性が低い原因のひとつが、施設の装備が脆弱なことです。施設内の温度や湿度はもちろん、日射量や炭酸ガスなどをICTでコントロールできる複合環境制御装置を備えることで、大幅な生産性アップが見込めますが、現状では、そうした装置を備えた施設は全体のわずか1.4%しかありません。
そこで農水省では、野菜などの周年安定供給に貢献し、生産者の所得向上や地域の雇用創出をめざして、新たに「次世代施設園芸」の取り組みを進めています。