レール間の移動もラクな、電動高所用作業車を開発
2018/07/23
産業用金具の総合メーカーであるタキゲンは、8,000種類にも及ぶ膨大な商品を取り扱っている。その土台を支えるのは、現場から寄せられたニーズを実際のカタチにできる、1910年創業という歴史に裏打ちされた技術力だ。
創業108年の歴史を持つ
産業用金具メーカーの老舗
2018年7月11日~13日、東京ビッグサイトで「施設園芸・植物工場展 2018(GPEC)」が開催された。アグリジャーナル編集部は、会場内の各ブースを徹底取材。注目ブースを、複数回に分けて紹介する。今回は、創業108年の歴史を持つ産業用金具の総合メーカー、タキゲンだ。
小さな部材から、大きな設備用資材まで、多岐にわたる商品を扱う同社。その総数は約8,000種類と、膨大な数に及ぶ。
取材で訪れたブースにもさまざまな商品が展示されていたが、ひときわ目を引いたのが、大きな電動作業車。ハシゴで登るタイプと、階段で登るタイプが、2台並んでそびえ立っていた。
ハシゴタイプは「土耕レール併用型レールカー」という商品名で、土耕栽培でもレールシステムを導入可能にした作業車。レール敷設前の土耕上だけでなく、パイプレール上も走行でき、2種類のタイヤを標準装備している。自動走行機能や速度調整機能も搭載しており、効率的に作業できる。
一方、階段タイプはまだ開発中のもので、「階段式電動作業車」という名前で展示されていた。実際に編集部が登ってみたところ、ハシゴよりも階段のほうが登りやすく感じた。現場で作業することを考えると、この登り降りのしやすさは大きなメリットだ。
ハシゴよりも階段のほうが登りやすい
さらにもう一つ、大きな改良点がある。従来は、平行に走るレールとレールの間を横移動する際、人力で作業車を移動させなければならなかった。しかしこの新開発モデルは、電動で収納可能なキャスターを搭載。ボタン一つでキャスターを下ろし、ラクにレール間を移動させることができる。
レール間移動に適した自在キャスターを搭載
ブース担当者は「この開発中の電動作業車は、実際の農家の方から『こんな作業車があったらいいな』という声をいただいて作成したもの。弊社には、そうしたお客様のニーズを実際にカタチにできるだけのスキルがある」と胸を張る。
このようにタキゲンは、創業108年の歴史に裏打ちされた確かな技術力で、現場のニーズに的確に応えているのだ。