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イチゴ栽培用の高設ベンチを作ってみよう! 自作のポイントとは?

専門家に聞く、イチゴ栽培の解説連載第4回後編。今回は、高設栽培で使う高設ベンチを自作する方法を紹介。自作すれば低コストで思い通りな高設ベンチを作ることができる。ただし、作るためにはある程度の知識や経験も必要だ。

連載第3回 前編『どれが自分にぴったり? イチゴ農家の高設ベンチの選び方!』はコチラ!

自作のメリット・デメリット

高設ベンチを自作するメリットは、コストが安いことと、思い通りなものが作れることです。農家の方やDIYがお好きな方だったら、小さな面積なら自作できると思います。

自作のデメリットは設計と工事が面倒なことベンチの不具合で栽培が失敗する可能性があることです。自作の高設ベンチと聞いて、パッと材料と作り方が思い浮かばない人は、自作するのが難しいかもしれません。その場合にはいろんなイチゴ農園に行って、高設ベンチを観察してみましょう。

自作高設ベンチのポイント

前回記事で、高設ベンチは複数の要素の組み合せであると伝えました。7つの要素のうち、自作の高設ベンチのポイントである支柱・栽培槽・培地について説明していきます。

支柱

高設ベンチを作るためには、栽培槽を支える支柱が必要です。最も使用頻度が高いのは、ハウスパイプです。太さは19mmか22mmが良いでしょう。支柱の固定にはハウス部材が使えます。太い足場用パイプも使えますが、高設ベンチは強度はそこまで必要ないので、おすすめしません。

海外のイチゴ農園では、木や竹を使って高設ベンチを作ることもあります。耐久性は劣りますが、コストが安くなります。また、木や竹を使うと雰囲気がよくなるので、観光農園には良いかもしれません。とりあえず1年だけ高設栽培を試したい場合には、コンテナを何個か重ねて簡易的な高設ベンチを作るのもおすすめです。

高設ベンチにはハウスの天井からチェーンで吊るす方法もありますが、難易度が上がるので手作りには向かないでしょう。

栽培槽

次に、栽培槽の材料を考えましょう。

・トタン板
・防草シート
・不織布と防根シート
・発泡スチロール製の箱
・コンテナ
・プランター
・袋栽培

トタン板を使う方法は、「るんるんベンチ」といって手作りの高設ベンチとして有名です。培地の量が多くなるので、土耕栽培と似たような感覚で育てられるのがメリットです。トタン板やシートを使う場合には、その深さを調整することで培地の量を好きに変えられます。

私の知り合いは、スーパーに何度も通って発泡スチロール製の魚箱(トロ箱)を大量に無料でもらって、それを栽培槽にしていました。このように自作の場合には本来はごみとして捨てられるものを再利用できます。お財布にも環境にもやさしくておすすめです。この栽培槽の大きさで培地の量が決まります。

培地

次に培地を選びましょう。

・畑の土
・川の砂
・ヤシガラ、ピートモス
・堆肥
・腐葉土
・廃菌床
・軽石
・ロックウール
・袋栽培
・培地なし(水耕栽培)

単体の培地でも良いですし、複数の培地をブレンドしてオリジナル培地を作ることもできます。例えば、きのこ農園から廃菌床をもらってきて混ぜたり、腐葉土を作ったり、堆肥を使ったりもできます。

コストを抑えることも大切ですが、耐用年数を高める工夫をしたり、将来その培地を田畑にすることを考えて廃棄しても問題にならないものを選ばないといけません。培地の量が多いほど栽培が楽になり、少ない方が細かい管理が可能になります。

市販の袋栽培用の袋培地を使うこともできます。また、極端な話をすると培地を一切使わない水耕栽培も可能です。ただし、水耕栽培は通常の養液栽培よりも難易度が上がります。
 

PROFILE

株式会社イチゴテック
代表取締役

宮崎大輔


イチゴ農園の新規立ち上げや栽培改善、経営改善をサポートしている。

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