農業の新「3K」? 若き農業家たちの挑戦
2016/03/31
“こせがれ(小倅)”……自分たちのことを、やや自虐的に(?)そう呼んでいるように見せかけて、実はプライドを持って活動する実にカッコイイ若者たちがいる。「農業」と「かっこいい」を結びつけた時点で拍手を送りたい彼らの活動は、街中に新鮮な感動を生んでいる。
農業・農家への理解を共有する
“こせがれ”達のあらたな「3K」
農業が「かっこよくて」、「感動があって」、「稼げる」という新たな時代の「3K」を実現させようというコンセプトで活動する、「農家のこせがれネットワーク」。新3Kを標榜するだけあってその活動は、ほんとにカッコイイ。
毎週土曜日に六本木アークヒルズにて開催している朝市「ヒルズマルシェinアークヒルズ」では、若手農家や新規就農者、都内にいる「こせがれ」たちが、自慢の新鮮な農作物、美味しい加工品、雑貨などを賑やかに販売する。出勤前に毎朝の自分磨きを! というコンセプトのもと、東京・丸の内で2009年から開催されている「丸の内朝大学」でも農業クラスを持つ。
全国の農家・こせがれを応援し、プロデュースするために誕生した農業体感レストラン「六本木農園」は、食や農家LIVEなど開催されるイベントなどを通して、農家と客が一気に近づける場所だ。他にも「こせがれ交流会」、「こせがれ塾」、「農家の手がわりプロジェクト」など3Kを目指す仕掛けが盛りだくさんだ。活動開始から早6年目に突入し、今年3月には「リターン・リメイク・リユース・リスペクト」のRe farm会議も開催、農家と参加者の距離をグンと縮めて想いを共有するイベントも開催する。
農家のこせがれネットワークは、美味しいものを食べながら、こせがれ同士で、あるいはこせがれと交流しながら農業や農家、食への理解が深まる場所や仕掛けを提供している。それが3Kに繋がる素敵な動きなのだ。
文/松浦良樹
『SOLAR JOURNAL』vol.12より転載