生産者の取組み

農家後継者が成功する5つの要素

成功する後継者と失敗する後継者、この違いは一体どこにあるのか。真の「後継」とはなんなのか。農家のこせがれネットワーク代表理事・宮治勇輔は、「後継者とは何かという意識の違いが、分かれ目になる」という。成功する後継者になるために、受け継ぐべき5つのこととは。

成功する後継者と失敗する後継者、
一体なにが違うのか?

前回、日本の農業における問題は「後継者不足」より、「後継者がいるのに事業承継が円滑に進んでいないこと」であると述べた。今回は、事業承継に成功する後継者と失敗する後継者の違いをみていこう。

失敗する後継者は、「社長の息子・娘(こせがれ)という立場」がすなわち後継者だと思っている。先代がいなくなってから、先代のかわりを務めようとする。

一方、成功する後継者は「先代が築いた人・もの・お金・情報・顧客と経営実務を受け継ごうとする者」が後継者だと思っている。先代が元気なうちから、いつでも先代のかわりが務まるように準備をしている。

具体的に、受け継ぐべき「先代が築いた人・もの・お金・情報・顧客」とは次のようなものを指す。「人」とは先代の持つ栽培技術であり、従業員・取引先・地域の人との関係性。「もの」は一般的には農地や農業機械・設備を指すが、僕はここに稼ぐ仕組みであるビジネスモデルを加えている。「お金」は現金・預貯金や共済・保険・負債、法人であれば株も含まれる。「情報」は社内に蓄積されたデータだけでなく、経営理念、家や地域の歴史、創業者の想いなどが含まれる。「顧客」については、顧客名簿はもちろん、生産者としての信用やブランド力などを示す。

いかに多くの事柄を引き継ぐ必要があるか。成功する後継者は、事業承継をいち早くはじめている。「いつでも先代のかわりが務まる者」が真の後継者だ。

そこで後継者を自認する「こせがれ」の方に考えて頂きたい。「はたして自分は、いつでも先代にかわり経営者が務まるだろうか」と。意気込みだけでなく、人・もの・お金・情報・顧客の承継に着手あるいは完了していると自信をもって言えるだろうか。

こう問いかけると、改めて後継者という言葉の重みを感じることができるだろう。そして、家業の事業承継を円滑に進めるうえで、何が足りないのかもみえてくるはずだ。


宮治勇輔

神奈川県藤沢市在住。農家のこせがれネットワーク代表理事。実家の養豚業を継ぎ、2006年に株式会社みやじ豚を設立し代表取締役に就任。一次産業をかっこよくて・
感動があって・稼げる3K産業にするべく活動中。


『AGRI JOURNAL』vol.5より転載

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