生産者の取組み

地域の特産は若手が支える! ICT×チーム農業とは?

農業にICTを適用して効率化を図る……そんな動きが活発化しているが、それを グループで実践している例がある。愛知県田原市の若手菊生産者チーム「輪菊プロ」の活動をご紹介しよう。

ICT×チーム農業で
菊の生産が変わる

渥美半島の根元に位置する愛知県田原市は、農業産出額(平成27年全国1位となった日本随一の農業地域だ。そんな日本有数の農業地域でさえ、過疎化・農業就労者の高齢化に加えて海外輸入品の台頭により、後継者不足が深刻な問題となりつつある。

その現状に待ったをかけたのが若手”菊”生産者たちだ。自らが発起人となり、資材業者トヨタネやJA、県を巻き込んで、農業の次世代化を目指している。

「活動を始めた切っ掛けは『地域農業を何とかしたい、地域特産の菊を立て直したい』という想いです。早起きして、暑くても寒くても、毎日働いて、終わってみたら儲からない……それでは後継者なんて出てきません。そんな状況を変えたいと思ったのです」と語る菊農家の鈴木さんは、同じ想いを持つ地域の仲間と”輪菊プロ”というチームを立ち上げた。

まず取り組んでいるのが、チーム全体の菊の品質の底上げだ。月に 1 度のペースで圃場巡回や勉強会を実施し、さらに昨年、『プロファームモニター』を導入してハウス環境の見える化・データ共有を行っている。

「品質の良い菊を、安定した量で収穫するためには、どのような環境が最も適しているのかを見つけ出す必要があります。そのために私たちがしているのは、『プロモニ』を使ってハウス環境を見える化しながら栽培条件を農家ごとに変えて、その結果をデータで共有することです。勉強会でもその分析結果を見て栽培環境を調整していくことで、徐々に効果が出てきています」。

特別なITの知識や技術は一切不要で、タブレットやスマホで簡単に使うことができるのも、導入を決断した一因だという。チームを組んで使うにあたって、インターフェイスが優れている、というのは重要な要素なのだ。

最適な栽培環境を今は通年での効果アップを目指している段階とのことだが、『プロモニ』を通してさらなる広がりも生まれている。

「他県の菊生産者とも『プロモニ』のデータ共有機能から交流が始まって、私たちの活動を視察に来る方もいるんですよ。ライバルではありますが、各地の菊生産者が元気にならなければ、私たちにも将来はありません。日本全国の生産者が協力して菊そのものの価値を高めて行けたら……というのが私たちの願いでもあるのです」。

日本の菊の美しさが改めて評価される日は、近くまで来ているかもしれない。

出荷を待つ菊の花。 輪菊プロは、優れた品種の採用と、品種に応じた最適な栽培方法の確立とを両輪として活動している。

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