【農福連携】作業場整理術のポイントは「どこで・何が・どうやって」
2018/09/03
ポイント3.「どうやって」・・・作業中の判断を少なく!
規格に合わせた目印や見本を手元に置いておくことで、自身で確認しながら作業を進めることができる。
私たちが取り組んでいるネギの出荷調整を例にすると、ネギの枯れや病気を除去するトリミング作業では、作業台にテープを張り、長さの基準を明確にしている。
作業台には長さの基準を示すテープが張られている。
これは判断に迷うといった無駄な時間を減らすとともに、不安を軽減することにつながる。心理的なハードルが下がることで、作業に取り組みやすくなると言える。
また、葉の枚数や曲がりの規格チェックの作業では、規格別の区分けをしやすいようにプレートを用い、混在を防止する。プレートがあることで、迷わず規格別品ごとに分けることができるのだ。
AとBのプレートを用いてネギの混在を防いでいる。
まとめ
作業するうえで一番重要なのは、「安全」である。作業場では、ハサミなど刃物を使用することもあるので、5Sを取り入れることは安全対策にもつながる。
また作業場環境を整えることは、モノを探す時間や、判断に迷う時間を減らし、作業中のストレス軽減にもなるだろう。
私たちは、障がい者の方々の就労支援を行っているため、農作業を通じて、利用者さんが心身の力をつけていけるようにサポートしている。そのため、作業中の利用者さんの動きをよく観察し、作業場の環境改善について、定期的にミーティングを行いブラッシュアップしているが、これは障がい者支援や農業に関わらず、どの業種にも言えるだろう。
作業場を整理することで、無駄な時間を省くことができれば、ぜひその時間を職場内のコミュニケーションなど、より有効的な時間へと活用してもらいたい。
PROFILE
宮崎 結美
2009年、都留文科大学文学部卒業。大学時にアルバイトをしていたアパレル会社へ新卒で勤務し、店長として店舗の立ち上げ等の業務に従事。一方で、大学在籍時の不登校児等との交流経験から、心理ケア分野の興味も継続していたため精神科へ転職。患者さんが社会復帰するための就労プログラムに参加するなかで、一人ひとりに寄り添ったサポートを深めたいと思い、2014年NPO法人めぐみの里(障がい者就労継続支援施設)へ入社。現在は、白ネギ出荷のチームリーダーとして、利用者のサポートと職員育成を行っている。
HP:NPO法人めぐみの里