注目キーワード

生産者の取り組み

【農福連携】作業場整理術のポイントは「どこで・何が・どうやって」

ポイント3.「どうやって」・・・作業中の判断を少なく!

規格に合わせた目印や見本を手元に置いておくことで、自身で確認しながら作業を進めることができる。

私たちが取り組んでいるネギの出荷調整を例にすると、ネギの枯れや病気を除去するトリミング作業では、作業台にテープを張り、長さの基準を明確にしている。

作業台には長さの基準を示すテープが張られている。

これは判断に迷うといった無駄な時間を減らすとともに、不安を軽減することにつながる。心理的なハードルが下がることで、作業に取り組みやすくなると言える。

また、葉の枚数や曲がりの規格チェックの作業では、規格別の区分けをしやすいようにプレートを用い、混在を防止する。プレートがあることで、迷わず規格別品ごとに分けることができるのだ。

AとBのプレートを用いてネギの混在を防いでいる。

まとめ

作業するうえで一番重要なのは、「安全」である。作業場では、ハサミなど刃物を使用することもあるので、5Sを取り入れることは安全対策にもつながる。

また作業場環境を整えることは、モノを探す時間や、判断に迷う時間を減らし、作業中のストレス軽減にもなるだろう。

私たちは、障がい者の方々の就労支援を行っているため、農作業を通じて、利用者さんが心身の力をつけていけるようにサポートしている。そのため、作業中の利用者さんの動きをよく観察し、作業場の環境改善について、定期的にミーティングを行いブラッシュアップしているが、これは障がい者支援や農業に関わらず、どの業種にも言えるだろう。

作業場を整理することで、無駄な時間を省くことができれば、ぜひその時間を職場内のコミュニケーションなど、より有効的な時間へと活用してもらいたい。

PROFILE

宮崎 結美

2009年、都留文科大学文学部卒業。大学時にアルバイトをしていたアパレル会社へ新卒で勤務し、店長として店舗の立ち上げ等の業務に従事。一方で、大学在籍時の不登校児等との交流経験から、心理ケア分野の興味も継続していたため精神科へ転職。患者さんが社会復帰するための就労プログラムに参加するなかで、一人ひとりに寄り添ったサポートを深めたいと思い、2014年NPO法人めぐみの里(障がい者就労継続支援施設)へ入社。現在は、白ネギ出荷のチームリーダーとして、利用者のサポートと職員育成を行っている。

HP:NPO法人めぐみの里

< 12

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 農機バイヤーに聞いた! 時短ニーズが広がる除草作業を支える、注目の草刈り製品とは?...
  2. バイオスティミュラントの最新動向と基礎知識を学べる!協議会がセミナー開催...
  3. 【刈払機試用レポート】軽い・静か・疲れない! 使った瞬間に違いがわかるやまびこ・ECHO「BSR510」...
  4. 水稲(お米)の病気「いもち病」とは?注意すべき病気と害虫を解説!
  5. 【農研機構の注目品種 コメ編】温暖化に対抗!「にじのきらめき」「恋の予感」等、高温耐性品種の普及へ...
  6. 【検証レポート】本当に石の飛散が少ないのか? 噂のバッテリー式「T字型バリカン」草刈機を体験!...
  7. イチゴの「生産~出荷」を省力化! 的確な収量予想を可能にした先端テクノロジー...
  8. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  9. 【九州農業WEEKリポート②】コナジラミをLEDで誘引してノックアウト
  10. ワイヤー設置も不要! 芝刈りの手間を“ゼロ”にする、タイパとコスパ抜群のAIロボット芝刈機...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.36|¥0
2025/07/01発行

お詫びと訂正