組立簡単! 茂山組の農地用架台で作業効率アップ!
2014/10/23
茂山組が農業に関する総合イベント「第1回国際次世代農業EXPO」において、農作物を植えた土地の上方に太陽電池モジュールを設置する、いわゆるソーラーシェアリング用の架台を展示した。
岡山県に本社を置く(株)茂山組は、1959年に建設業者として創業。2004年からソーラー事業に進出している。今回、農業に関する総合イベント「第1回国際次世代農業EXPO」(10月15日~17日、幕張メッセ)において、太陽光発電システム用のアルミニウム製「農地用架台」を展示した。農作物を植えた土地の上方に太陽電池モジュールを設置する、いわゆるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)用の架台だ。
同社架台が他社と劇的に違うのは、施工のスピードと組立の簡単さ。アルミ製で軽いため、基礎をきちんと打てば、それほどの熟練度がなくてもマニュアルに従って誰でも組み立てられる。
「農家の方はビニールハウスを自分で組み立てます。それをイメージしました」と話すのは、茂山組の川田雄士社長だ。岡山県では最近、農地に太陽光発電設備を設置したいという問い合わせが急に増えたという。
「最初は遊休地利用という目的でしたが、農地転用で農地法に引っかかる現場があり、また農地を雑種地にしても、その後の固定資産税など維持費が上がるため、できれば農地のまま設置したいという農家の方の要望がありました。そんな中、2013年に農水省から営農型発電設備設置にあたり、要件を満たせば農地の一時転用が可能との指針が出て、本格的にチャレンジしようと思いました」。
農地に太陽光パネルを設置する場合、従来の収穫量の8割を確保しなければならない。そこで課題なのが、本当に作物が8割確保できるか、その証拠を提出する事だ。
「当社は岡山大学農学部と、2年間の共同研究事業を契約しました。今年4月から始め、夏休みの収穫は終わりました。パネルが日照を遮る遮光率を50%に設定し、枝豆やピーマンなど約10種類の作物について調査すると、90%確保という結果が出ました。作物によってはソーラーを設置して少し日陰があった方がよく育ち、100%を超えた所もありました」。
大学と共同研究する事で、作物の大きさや重量、土の温度や保水量、日射量などをすべてセンサーで細かく測定でき、詳細で正確なデータが取れる。これが作物8割確保の学術的根拠となる。
「今回の実証実験を通じて、新たな課題も見えてきました。トラクターをどう入れ、どこで旋回するか。支柱の際は少し手で草刈りをするなど人手も多少必要です。一方で、ソーラーの下が涼しく作業効率がアップするため、家庭菜園などでは抜群に威力を発揮します」。
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取材・文/大根田康介