注目キーワード

最新技術

きゅうり農家が、AI搭載の自動選果機を作ってみた

日本農業は高齢化と農業従事者の減少により、深刻な労働力不足に陥っている。国を挙げた取り組みに期待が掛かっている一方で、個人の農家が果敢にも最新技術を用いて、作業の自動化に挑んでいる。

開発の背景

通常、きゅうりの仕分け(選果)は人力で行う作業である。現在、果樹やトマトの自動選果機はあるものの、残念ながら「きゅうり」の自動選果機は市販されていない。

「これを自動化して、きゅうり作りにもっと労力を割けたら」と思っていたのが、静岡県でご両親と3人できゅうり作りを行っている小池さんだ。施設面積40アールの小池さんの場合、繁忙期には選果作業に8時間も掛かるという。

普通の人であれば、そんな機械を自身の手で作ろうとは思い浮かない。ところが元IT技術者の小池さんは違った。オープンソースAI(人工知能)プログラム「TensorFlow」を活用すれば、ディープラーニング機能を搭載したきゅうり自動仕分け機を自作できるのではないか、と考えたのである。

きゅうり選果作業とは?

そもそも、きゅうりの選果作業とは、出荷する際に傷や病気があるものを弾いたり、形や色合い、大きさによりランク別に選別する作業のこと。選別にあたっては、特に統一規格があるわけではなく、各農家によって独自ルール(出荷先の希望、市場での値の付き方、作業効率などにより決めている)が存在する。

小池さんファミリーの仕分けルールは、概ね以下のようになる。

<上掲の写真は試作1号機のもの。影が入り込んでいる。2号機で既に改善されており、現在は3号機を制作中。/画像提供:小池さん>

2L〜2S
良品色艶よく、比較的まっすぐで太さも偏っていないもの。大きさにより2Lから2Sまで5段階に選別される。
BL〜BS
B品色合いが悪かったり、少し曲がっていたり太さが不均一なもの。大きさによりL〜Sまで3段階に選別される。
C
C品。形の悪いもの。

123>

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 【参加受付中!】日本農業のこれからを考える『第3回次世代農業セミナー』を開催!...
  2. 肥料価格高騰のなか、地域資源循環に高評価! 牛ふん・汚泥・食品残渣などを混合した完熟堆肥を活用...
  3. 喜界町で実践する新しい排水対策。目詰まりしにくい暗渠排水材「ドレインベルト」に迫る...
  4. ハウスの高温対策に! 炭酸カルシウムのパイオニア企業が生み出した遮光資材...
  5. 業界初!60度の急斜面でも草刈り可能な草刈機「ベローン」で安心・安全&ラクな作業へ...
  6. 【家庭菜園】きゅうり栽培で大事なポイントとは?ベストな肥料や正しい栽培方法を徹底解説!...
  7. 水田除草もスマート化! これから活躍が期待できる除草ロボット3選
  8. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  9. 「隅刈り」まで自動化!ヤンマーが新型オートコンバイン3機種を発売
  10. 夏の農作業に必須! 日差しから身を守る帽子6選

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.36|¥0
2025/07/01発行

お詫びと訂正