ゲームが今の農業を救う? 農業シムが広げる就農人口
2017/08/02
農業疑似体験ゲーム「ファーミング・シミュレーター」!最新タイトルである2017年版は、昨年末までにすでに100万本以上を売上。忠実に再現されたゲーム世界で播種から収穫までの一連の流れを知ることができ、農業従事者も農業を知らない人も楽しめる。
農業は敷居が高い。そんな人におすすめなのが、スイスのGiants社が出す農業疑似体験ゲーム「ファーミング・シミュレーター」だ。屋外の農業と屋内のゲームは本来真逆のもの。同ゲームはこの2者を繋ぐ。
同社マルティン・ラブル氏はいう。「ユーザーには農業従事者や経験者も多いが、農業を知らない層もたくさんいる。彼らはゲームを通して、農業への尊敬や興味、知識を深めていく」。同氏によれば、特に人気があるのがドイツを中心とした欧州。アメリカや南米も需要が高い。年齢層は問わず、例えば親子で一緒にプレイすることも多い。
そもそも同社は、なぜ農業分野にゲーム展開しようと思ったのか。じつは友人の頼みごとが始まりだったという。ある時、設立者の友人に農業好きがいて農業シムを探していた。ところが彼のイメージするゲームはなかった。そこで友人は大学で農業シムの技術基盤をテーマに研究していた設立者に持ちかけ、その後プロジェクトは広がっていった。
現在、最新タイトルである2017年版は、昨年末までにすでに100万本以上を売り上げている。農業好きが農業をしたくて作ったゲーム。この根底こそユーザーから多くの支持を集める理由なのだ。
<実在するメーカーの農業機械が登場。ゲームなら高価な農業機械も体験できる。>
Text:Yukinobu Kato