再エネ・最新技術

成功例から見る! ソーラーシェアリングで地域活性

ソーラーシェアリングのモデルケースとして日本で最も知られる、千葉県匝瑳市。かつて耕作放棄地だった土地を見事に再生させたという、ソーラーシェアリングの成功事例から見えた、地域活性プロジェクトの全貌とは?

ソーラーシェアリングで
耕作放棄地の解消を実現

「この土地は、40年以上前に、山を削って畑にした場所でした。しかし、水はけが悪く、痩せていて、畑には不向きで、15年ほど前からずっと耕作放棄地になっていました」。

そう話してくれたのは、匝瑳(そうさ)ソーラーシェアリング合同会社の椿茂雄代表。この地域代々の農家でもある椿さんにとって、拡大する耕作放棄地は心の痛む問題だった。それは、同社の母体である市民エネルギーちば合同会社の東光弘代表にとっても同様。東さんは、「ソーラーシェアリングの意義は地域活性化の切り札になるところにある」と断言する。

匝瑳市が
生まれ変わった!

地域のお荷物になりかけていたその土地は、いまでは大きな自慢の種だ。2017年4月に誕生した「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」は、本格的なソーラーシェアリングとしては日本初の1MW級大規模太陽光発電所。そしてなにより、耕作放棄地だった土地を、農地として再生させることに成功した日本随一の事例なのだ。

匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所

この土地には複数の所有者がいたが、まずは地元農家である椿さんが、地権者の賛同を得るべく奔走した。こうしたビッグプロジェクトにおいては、地域の合意形成が最も重要な立脚点だからだ。発電設備の構想は東さんが中心となって練り上げ、トラクターも自在に動ける大規模ソーラーシェアリング設備をつくりあげた。

太陽光パネルの下での農作業は、地域の農業生産法人であるThreeLittleBirds合同会社に、年間200万円の耕作委託料を支払い、請け負ってもらう。もちろん、この原資には、ソーラーシェアリングによる売電収益の一部が充てられている。

売電収益は、この他、地域の協議会に環境保全基金として年間200万円拠出される。このお金の使い道は、受け取った協議会の自由。本年度は、廃棄物が不法投棄されている場所をきれいに整備し、花を植えて憩いの場所にするために用いられるという。

DATA

匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所
場所:千葉県匝瑳市
設備容量:1MW
土地面積:約32000㎡
導入年月日:2017年3月
導入費用:約3億円
年間の売電収入:約4700万円
パネルの下で育てている作物:有機大豆、有機麦


text : Kiminori Hiromach
photo : Kumiko Saotome

AGRI JOURNAL vol.06(2018年冬号)より転載

施設園芸・植物工場展 2018 (GPEC)

関連記事

アクセスランキング

  1. 成功する農業! 有機肥料と化成肥料の基本とやり方
  2. ハイスペックで格好良い!「次世代軽トラ」の実力
  3. 休耕田を活用する、「世界一安い」水耕栽培
  4. 農産物の国際基準・グローバルGAP認証取得とは?
  5. 話題の「スーツに見える作業着」を農家が初導入!
  6. 肥料代ゼロ! 緑肥作物を利用した地球に優しい農業
  7. 若者新規就農者が3年連続で2万人超 後継者不足は?
  8. 2018年度産から適用の「減反廃止」。農家への影響は?
  9. パワフルなバッテリー式刈払機。その実力は?
  10. “誰でもできる”高糖度トマトの農法を聞いてきた!
農業×IT OPTiMが描く、スマート農業。 株式会社キャムズ|動物防止柵や太陽光発電所フェンス等の販売 営農支援サービス 天晴れ|国際航業株式会社     あぐりナビ

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.07 / ¥0
2018年3月30日発行

お詫びと訂正

ロクジカチャネル