LED導入ニーズ、太陽光利用型ハウスでも高まる
2017/01/01
植物の成長を早めたり、栄養価の高い野菜を育てたり、メリットの多い植物育成用LED照明。日本でも植物工場での活用ニーズが高まっている。
天候に左右されず、無農薬野菜を計画的に安定生産することが可能な植物工場。LEDによって野菜の成長に適した特定波長の光を効率的に当てることで、成長を早め、栄養価の高い野菜を育てられる。
植物育成用LED照明の導入サポートを行うフィリップスの担当者によると、日本ではこれまで完全人工光型植物工場でのLED利用が先行されていたが、次第に太陽光利用型でもニーズが高まってきているという。
フィリップスでは、さまざまな農作物や育成条件に最適な照明の光を見つけるため、本国オランダのチームが50件以上にわたるフィールドテストを実施した。例えば、トマトやキュウリは「インターライティング」という手法で苗木の間にLED照明で補光すると、光をより効率的に吸収して収穫量が向上。カランコエやレタスなどの多毛作作物にも、LED照明利用のメリットがある。
LEDは熱エネルギー放出量が比較的少ないため、植物工場内の温度をコントロールしやすく、空調費用を抑えて最適な環境条件を維持することが可能だ。また、植物の近くに設置できることから、多段栽培への応用にも最適。それにより、限られたスペースを有効活用し、栽培面積を増やしたり、組織培養に利用したりすることが可能となる。同じスペースに、より多くの栽培トレイを設置することで、生産効率が向上する。
フィリップスでは、生産物の種類や植物工場の環境によって、どのようなLED照明の導入が最適なのか、一件ずつ相談に応じながら、販売を行っていくという。