直進アシスト田植機「YR6D/8D」が登場! オート田植機との違いを徹底分析
2019/12/16
ヤンマーアグリ株式会社から、自動直進機能搭載の直進アシスト田植機「YR6D/8D」が2020年1月に発売される。自動運転技術「SMARTPILOT」シリーズの第3弾として開発された新製品の特徴と、2019年2月に発売されたオート田植機との相違点を紹介しよう。
直進アシスト田植機「YR6D/8D」の特徴
直進アシスト田植機「YR6D/8D」は直進専用の自動操舵システム搭載で、3つのボタンを操作するだけで自動直進できる。2019年11月現在販売されている、ロボットトラクター、オートトラクター、オート田植機と同じく、ヤンマーアグリの自動運転技術「SMARTPILOT」シリーズの第3弾として開発された。メーカー希望小売価格は税抜きで2,855,000円~4,945,000円。
自動直進のためには、まず基準線の登録が必要だ。スイッチボックスにある「A」ボタンを押すと、基準線の支点が登録される。そのまま田植機を進ませ終点で「B」ボタンを押すと、終点が登録される。手動のハンドル操作で一度旋回して、次の田植作業に入る際に「AUTO」ボタンを押すと、登録した基準線と平行に自動操舵作業が始まる仕組みだ。
さらに、「すこやかターン(自動植揃え機構)」によって旋回時の一連の操作が自動化され、操作負担が軽減された。
旋回時の操作が自動化されていない田植機では、旋回時の植付停止と植付部の上下操作は手動で行わなければならないが「YR6D/8D」の場合、旋回のためにハンドルを切るだけで、自動で植付が停止され、植付部が上昇。旋回を終え、ハンドルを戻すと再び自動で植付部が下降し、植付が開始される。
はじめに支点と終点を登録し、その後は終点に着いたらハンドル操作で旋回、AUTOボタンで自動操舵を繰り返せば、労力をかけずに植え付け作業が完了するというわけだ。
オート田植機「YR8D」との違いは
ヤンマーアグリは、2019年2月に自動直進と自動旋回機能が搭載されたオート田植機「YR8D」を発売している。直進アシスト田植機「YR6D/8D」では手動となっている旋回も、「YR8Dオート仕様」では完全に自動化。経験や技術のないオペレーターでも、熟練者のように操作できる。
オート田植機「YR8D」には、直進だけを自動化する直進モードと、旋回も自動化されるオートモードの2種類のモードを搭載。直進モードは「YR6D/8D」と同じく始点・終点の登録で自動直進が可能だ。オートモードでは、圃場の外周を走行して圃場登録を行うと作業経路が自動作成され、スタートボタンを押すだけで作業を開始。そのほか、圃場外への逸脱防止機能や、あぜへの接近を知らせる機能も付加されている。
オート田植機「YR8D」のメーカー希望小売価格は税抜きで3,955,000円~5,545,000円。
一方、2020年1月発売の「YR6D/8D」のメーカー機能小売価格は、前述の通り2,855,000円~4,945,000円。
機能が限定されている分オート田植機「YR8D」よりも価格が低く、コストパフォーマンスに優れているのが特長。価格面で導入をためらっていた農家も、「YR6D/8D」で田植え作業の負担軽減を実現できそうだ。
DATA
text:高橋みゆき