話題の「農泊」で農村漁村を救う! 農水省が本気だ
2017/06/21
2020年までに全国500カ所!
農泊地域を創出する
優良事例のひとつに、長崎県小値賀島の取り組みがあります。同島では早くも平成18年に任意団体として協議会を設立し、教育旅行を中心とした宿泊事業を開始しました。翌年には協議会を法人化し、UIターンの若者を雇用。旅行業登録もしました。
教育旅行から大人の個人旅行を取り込む「大人の島旅」ブランドの構築や、古民家を生かしたレストランと宿泊施設を整備などが功を奏し、観光客数が大幅に増大しました。また、島の知名度が高まったこともあり、10年間で300名超がUIターン。いまでは観光・農漁業・商業など各方面で活躍しています。
農泊の取り組みは、農林水産省ばかりでなく、国全体の施策の中にも位置づけられています。平成28年3月に策定された「明日の日本を支える観光ビジョン」でも、滞在型農山漁村の確立・形成が重点施策のひとつとして掲げられ、農山漁村にインバウンド需要を呼び込む「農泊」の推進を図ることがうたわれています。
農林水産省では、平成29年度は50億の予算を設け、東京オリンピックが開かれる平成32年(2020年)までに、農泊に取り組む地域を全国に500創出し、地域の自立的発展と農山漁村の所得向上を目指していきます。
text:Kazuo Kojima
『AGRI JOURNAL』より転載