【事例紹介】農福連携~企業・福祉施設・行政の取り組み

行政による
農福連携の取り組み

【事例④】厚生労働省×農林水産省

厚生労働省と農林水産省は、共同施策にて農福連携を推進している。2017年3月には「全国農福連携推進協議会」を設立し、「ノウフクマルシェ」や「農福連携推進フォーラム」を開催した。

東京オリンピック・パラリンピックでは、障がい者の働く力をアピールするため、大々的なマルシェの開催や、障がい者が育てた農作物を使ったレストラン・カフェテリアの展開を予定している。それらに向け、障がい者施設への農業専門家の派遣、障がい者雇用事例の収集・普及等の取り組みが始まっている。

取り組みに伴い、厚生労働省・農林水産省による支援制度もあるため、興味がある方は施策・支援制度をご確認いただきたい。

全国農福連携推進協議会

農福連携施策について
福祉分野に農作業を~支援制度などのご案内~

 

【事例⑤】香川県

香川県では「NPO法人香川県社会就労センター協議会」を設置し、農業者と障がい者就労支援施設のマッチングを行っている。

あらかじめ農作業の請負が可能な施設を登録し、農業者からの依頼があれば、施設へ作業発注を行う。その際、コーディネーターが作業内容や農場状況を確認して料金設定を行う。

一般的に外注作業は成果(出来高)に応じて料金を設定するが、農作業の場合は農場面積あたり、収穫量あたり等、料金設定をするのが難しい。コーディネーターが間に入ることで、農業者も施設も安心して受発注ができる仕組みを作っているのだ。

同様に、そのほかの都道府県においても「コーディネーター業務」を行っている自治体がある。興味がある方は、都道府県の農政課や地域の障がい者相談支援センター等にご相談いただきたい。

NPO法人 香川県社会就労センター協議会HP

 

まとめ

事例として紹介した農福連携の取り組みは、全体のごく一部にすぎない。私は「地域にあった農福連携の取り組み方法を模索すること」が大切だと考える。農業も福祉も、地域性の高い事業だからこそ、本当の意味で地域に必要とされる取り組みでなければ、永続性はないと言える。

また、農業は自然が相手であり、福祉は人間が相手の事業。どちらにも共通するのが「結果」が見えにくい事業だということ。事業が成り立っていると言える状態になるまでには、ある程度の年月が必要になる。そのため、農福連携にはしっかりとした「理念」を掲げることが絶対条件であると言えるだろう。

プロフィール

中口 悠見

2007年(株)船井総合研究所に入社。企業の農業参入コンサルティングに従事しながら農福連携事業の研究を行う。2012年アルファイノベーション(株)にて障がい福祉事業コンサルティングを開始し、2013年よりNPO法人めぐみの里(障がい者就労継続支援施設)の管理者に従事し、農福連携事業を実践している。

HP:NPO法人めぐみの里

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